こんにちは。副院長の田端です。
日々の治療や勉強を通して学んだことや感じたこと、考えたことなど少々マニアックな内容を記事にしていきます。
当院には、「なるべく薬を飲みたくない」という方が多くいらっしゃいますが、意外にもそういった方の中には漢方は常用しているという方が少なくありません。そして、その方々の話をよくよくうかがってみると、「漢方だったら大丈夫」と思っていらっしゃる方が多いように感じます。
もちろんそういった方には直接お伝えするのですが、何かのご縁でこの記事にたどり着いた方にも私なりの考えを述べておこうと思います。
いきなりですが結論!!
漢方も薬です!!!
100%安全安心ではありませんよ!
確かに、化学合成されていないという点では、西洋薬に比べて体に害が少ないと言えますが、『外から入れるもので体の機能をコントロールする』という点では同じです。
オーガニックの豆を使ったコーヒーを飲もうが、化学合成されたカフェインのサプリを飲もうが、カフェインが体に引き起こす覚醒作用は同じであることと一緒です。
薬というのは、
不足しているものを追加したり、あるいは多く作らせたり、
過剰なものの排泄を促したり、
似たような物質でニセの反応を起こしたり、止めたり、
感覚を遮断したり...
ということを体に起こすことで、症状を消したり抑えたりすることを狙っています。
要するに、脳や臓器をだまして、体の特定の機能を活発にしたり抑制したりすることで症状にアプローチするのです。
生きる力を無視する行為
薬を飲むことは、「生きる」ために体が起こした反応を、無かったことにする行為です。
高血圧を薬によってコントロールする場合を例に挙げてみましょう。高血圧は、体の隅々まで血液がいきわたりにくくなっているために、圧を上げてなんとか流そうとしている状態です。体にとって重要な働きを担う血液が、全身にいきわたらないということは命の危険につながりますので、そんな事態を回避するために血圧を上げる。すなわち、血圧は上がってしまっているのではなく、必要があって上げているのです。
にもかかわらず、薬を使ってそれを抑えれば死んでしまいます。当然、体は死を絶対に避けたいので、生きるために次の手を打ち、薬によって血圧が下げられた状態からもう一度血圧を上げようとします。さらにそれを症状や数値の異常として表れたからといって抑えようとするならば、これもまた死につながるため、また次の反応を起こし...
と無限ループが続くことになります。
これは、糖尿病や風邪など多くの病気や症状でも同様です。その病気や症状は、体が「生きる」ために必要と判断して起こした反応によるもので、決して無くていいものではないのです。
体というのは完璧なものです。生命維持のためには間違ったことはしません。体の最重要任務は「生きる」こと。どんな状態になろうと、生き延びることが最優先なのです。人間の都合で定められた「病気」や「異常」が起きたからといって安易に薬を飲むということは、体の声を無視し、本来必要であるはずの正常な反応を邪魔する行為といえるのではないでしょうか。
薬の使い時を考えよう
もちろん、薬の使用を全否定するつもりはありません。どうしても今ある症状を抑えたいときや、救命救急の現場などで即命にかかわる状態のとき、摘出した臓器の働きを補う必要があるときなどには、薬は大きな手助けとなってくれます。薬が有用な場面も必ずあります。
しかし、慢性的な症状や数値の改善のために薬を飲んでも、一時的にはよくなるかもしれませんが、どうしてそうなったのか、そうなる必要があったのかにアプローチをしない限り薬をやめたら元に戻るというサイクルからは抜け出せません。よくなったように見えるだけなのです。
薬を飲む、すなわち『外から入れるもので体の機能をコントロールする』ことは、体が必要だと判断して起こる反応に逆らうことになるので、脳や自律神経といった体の指揮系統に大きな負担となります。それが続けば、いずれ脳や自律神経にかかわった症状や病気につながってしまう可能性があります。この点は漢方であろうが西洋薬であろうが変わりありません。
天然素材でも薬です
繰り返しになりますが、体は完璧です。間違ったことはしません。だから、天然素材であれ何であれ、体に何かを起こそうとして取り入れるものは、大なり小なり体にとって負担になります。
ただし、薬が必要な場面があるのも事実なので、これらを理解したうえでうまく活用していけるといいですね。
以上、自然由来の漢方だったら飲んでも大丈夫というわけではないよ、というお話でした。
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