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スタッフブログ 交通事故

数十年後に症状として現れる。交通事故が全身に与える意外な影響

運転

こんにちは、なお整骨院 田端です。
私のブログでは、小野院長のブログとはちょっと違った、日々の治療や勉強を通して学んだことや感じたこと、考えたことなど少々マニアックな内容を記事にしていきます。

当院では、初回の問診時に必ず交通事故の経験の有無をうかがいます。なぜなら、過去の交通事故が今症状として体に現れている問題の要因の一つになっている可能性が非常に大きいから。どんなに昔の事故でも、そのとき負った怪我が治っていても、です。
実際、過去に交通事故にあわれたという方は意外と多いんです。
そして、そんな皆さんが訴える今の症状は、首痛・腰痛だけではなく、手・足のしびれ不整脈便秘生理不順など、一見交通事故とは関係なさそうな症状も多くあります。もちろんご本人もそんな昔の事故が影響しているとは思っていないことがほとんど。

首や腰の痛みについてはなんとなく事故が影響していそうと想像がつくとは思うのですが、手や足など体の末梢の症状や内科的な症状が、過去の交通事故と一体どう関係しているのでしょうか・・・?

そこで今回は、交通事故が体に与える影響と過去の事故が原因となっていた症例、そして当院でのオステオパシー治療アプローチについて解説します。
今回はご本人が自覚していないような数年、数十年前の交通事故の影響について解説していきます。今現在、交通事故治療期間中で体のことや治療についてお悩みの方は下の記事をご参考にしてください。


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交通事故で身体に何が起こる?

車で前方に衝突した場合、前進していた車は衝突により急停車することになります。慣性の法則が働くため、搭乗者はそのまま前方へ進もうとしますが、シートベルトによってそれが阻止されます。この時、重量のある頭部は前後へ振られやすいため、その動きの支点である首つまり頚部(けいぶ)に負担がかかります。
後方から追突された場合、搭乗者は一瞬、車のシートに押し付けられます。これは車のシートの形に沿って背骨に骨格矯正を加えられるようなものです。
この二つの場合から分かるように、交通事故では首と背骨つまり脊柱(せきちゅう)と呼ばれる体を支える重要な骨に大きな負荷がかかります。

脊柱

イメージがわきやすいようにこの二つのパターンを挙げましたが、これら以外の方向から衝突を受けた場合でもほぼ必ずといっていいほど、交通事故では脊柱には強大な負担がかかります。

そして、衝撃は脊柱の中にある硬膜(こうまく)に伝わり、その硬膜に歪みや硬化を生じさせます。硬膜とは、頭蓋骨から脊柱内を通り、脳・脊髄を覆う硬い膜のこと。

硬膜

この硬膜が歪んだり、正常な硬さ以上に硬化してしまうと、その機能性が低下してしまいます。それを補うために、体は硬膜以外の他の場所を歪ませることでバランスを取りますこれが体の持つ素晴らしい能力の一つであり、生きている事の証でもあります)。

このように、大きな衝撃を受けた交通事故の後に適切な治療が行われないと、事故の衝撃による硬膜の歪みが全身の歪みへと繋がり、ひいては全身の症状を引き起こすことになります。ご本人がそれに気づくのは数年後、人によっては数十年後となることも少なくありません。

脊柱にある硬膜がなぜ全身に影響するのか?

オステオパシーでは、生体には「一次呼吸」といって脳脊髄液(のうせきずいえき)の循環を正常に保つための規則的な動きが存在すると考えられています。一方、酸素を吸って二酸化炭素を吐くという一般的に呼吸といわれるものは、オステオパシーでは「二次呼吸」といいます。
脳脊髄液とは脳や脊髄神経に栄養を与えたり、さらに衝撃から守る緩衝材としての働きもする重要な液体です。
硬膜は頭蓋骨と仙骨に付着し、先述した通り脳と脊髄を覆っています。一次呼吸の頭蓋骨の動きに合わせて硬膜を通じ、仙骨が動く。この頭蓋骨と仙骨の連動した動きを「コアリズム」といいます。

硬膜のリズム

硬膜に歪みが生じれば、それに引っ張られて一次呼吸やコアリズムも乱れてきます。
この二つはヒトが生きていく上で必須であり生体の根幹ともいえるものなので、これらが乱れるということは、全身どこに不調な症状が現れてもおかしくないということです。

また、硬膜は脊髄を出ると「神経上膜」と名前を変えて全身に行き渡ります(当院では神経上膜も一概に硬膜と呼んでいます)。つまり、構造的な目に見えるものとしても硬膜は神経上膜を通して全身に繋がっているのです。そのため、交通事故の時に負傷していない部位でも、硬膜の不調が構造的に影響を与えることになります。

事故の物理的な衝撃だけが問題ではない

交通事故が厄介なのは、衝撃による物理的なショックだけでなく、事故の瞬間の恐怖や事故後の不安、焦りといった感情的なショックも絡んでくるという点です。
恐れは腎臓、怒りは肝臓、といったふうに感情と臓器が相関関係にある場所があり、事故によって生じた感情の問題が内臓に影響を与えることもあります。これが内科的な症状につながることは想像に難くないですよね。

トラウマに悩む

なぜ数年前の交通事故が今になって?

交通事故は運命の分かれ道

交通事故の衝撃は体を変えます。少し大げさかもしれませんが、運命の分かれ道なのです。
事故の衝撃を受けた体事故から今現在までの様々な体の負担』が今現在の体の状態を作り上げてきました。事故の衝撃を体に残したまま数年、数十年過ごしてきたことで、今の症状が現れる体となってしまったわけです。
仮にもし、事故に遭っていない道を進んでいたとしたら、『事故の衝撃』は体に受けていないので今の体の状態とは違った状態となっているでしょう。

運命の分かれ道

症例:Sさん 40代女性 20年前に交通事故を経験

Sさんは40代主婦の方です。主訴は2~3年前からの全身の倦怠感足のむくみ。当初は加齢によるものだろうとあまり気にしてなかったそうなのですが、ここ半年ほど症状が重くなったとのことで来院されました。
例によって問診時に事故の経験の有無をうかがうと、20代前半の時に信号待ち停車中に後方から追突されるという事故に遭った経験があるとのことでした。
検査をしてみると、やはり一次呼吸が弱く、さらに骨盤のゆがみと固さが強く、ここから下肢への血流が滞りがちな状態でした。

まずは一次呼吸がある程度鮮明になるように、硬膜に関わりの深い部位へ手技を行います。

硬膜に関わりの深い部位とは、後頭環椎関節頸椎2・3間胸椎5・6間腰椎5・仙椎1間仙骨・尾骨間、などの脊柱や、小脳テント鞍隔膜横隔膜など。これらへ施術することで、一次呼吸、コアリズムの動きが鮮明になるように調整します。

横隔膜への手技

なぜなら、ここがしっかりしていないことには、生体としての活力が維持できず体が回復に向かわないからです。体が「死なない」ことに精一杯になってしまうため、「治る」ことに手が回せなくなってしまうのです。これらを調整しないまま、他の部位に施術しても効果はほとんど得られません。
また、実は施術者にとっても、患者さまの一次呼吸が弱い状態のまま体のどこが悪いか検査を行っても判然とせず、突き止めることが非常に難しいのです。
そのため、まずは患者さまの一次呼吸を回復させ、施術者の検査に対し明らかな反応が出る状態にしてから、不調の原因となっている箇所を探り当てます。そのうえで、事故によってダメージを受けしまっている部位への施術を行うことになります。

Sさんの一次呼吸を回復させた後、再度検査を行うと、最も問題を抱えているのは「」ということが分かりました。聞くと、ここ一か月ほど仕事が忙しく、そのストレス解消のためにお菓子を食べることが多くなっていたそうです。

お菓子

腸への手技を行い、下肢への血流を改善したところで、もう一度検査すると、ようやく事故の時に負担を受けたであろう腰椎(ようつい)の問題が見えてきました。腰椎は脊柱の一部で腰付近にある骨です。Sさんの腰椎には明らかな歪みがあり、この腰椎の歪みが硬膜に伝わり、一次呼吸にまで影響を及ぼしていたのです。

腰椎

腰椎への施術を終えると、Sさんも「なんか足があったかくなって、体も軽い感じがする!」とおっしゃってくださいました。再度、私の方でも検査してみると、施術前より骨盤のゆがみも整い、一次呼吸、コアリズムともに理想的な状態に近づいていました。
初回の施術はここまででしたが、2回目、3回目の施術時にも事故の影響による負担が確認できました。3回目以降は事故の負担がかなり解放されてSさんの主訴はほとんど解消されていました。

Sさんの場合、事故の衝撃で腰椎や骨盤が歪み、そこにお菓子の負担で腸が固くなったことでより骨盤の動きが悪くなっていたのです。前章に書いたように、もしSさんが20年前に事故に遭っていなかったら、一か月お菓子をよく食べたということだけでここまでの身体の状態にはならず、倦怠感やむくみで悩むこともなかったかもしれないのです。

事故に囚われていると治癒の妨げになることも・・・

ここまでの内容を踏まえたうえでひとつ注意していただきたいのが、事故に遭ってしまった事を悔やみすぎないことです。この記事が「過去の事故が今の体の悩みの根源となっていますよ」とお伝えする内容ですので、「じゃあ、あの事故さえなければ・・・」とお思いになるかもしれませんが、そう思えば思うほど、かえって事故の記憶は体に深く刻み込まれ、より強固な固着を生むことになってしまいます。そうなれば治癒はより困難なものになってしまうため、これは得策ではありません。
事故に遭ったことで、その瞬間から今のつらい体の状態の道へと進み始めてしまったわけですが、事故に遭わなかった方の道に進んでいた場合、今はもうこの世にはいなくなってしまっている可能性だってあるわけです。
事故に限ったことではないですが、遭遇した出来事やその時の感情をしっかり味わい噛みしめて、「あの事故があったから今もこうして生きていられるんだ」と考えられるのがベストですね。

切り替え

感情や思考(物事の考え方やとらえ方)も体と深く関わりがあります。これについても、私の知見がより深まり、考えがまとまったタイミングで記事にしたいと考えています。

なお整骨院のオステオパシーでの治療

今のあなたの体の不調はもしかすると過去の交通事故が引き金になっているのかもしれません。さらには、事故以前から抱えている悩みも、事故の衝撃によってより強固なものとなっていることもあります。さらにさらに、事故による影響が解消されることでそれ以前に受けた影響も見えてきますので、より良い体の状態を目指すこともできます。

傾聴

ただし、必ずしも初回の施術で過去の事故の負担にたどり着けるわけではないということをお伝えしておきます。また、症例で紹介したSさんのケースのように、施術の一手目が事故とは全く無関係の場所であることも多々あります。
事故に遭ってから今日まで、色んなことをご経験されたと思います。そこで受けた負担によって事故の影響が隠れてしまうのです。これをまずひとつひとつクリアにするという所から施術に入っていきますので、その点ご理解ください。

交通事故の経験があるという方、体の不調や悩みがあればお気軽にご相談ください。
もちろん事故の経験がない方のご相談もお待ちしております。

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なお整骨院 田端 祐太

柔道整復師 福岡県春日市出身
福岡大学法学部 卒
福岡医療専門学校柔道整復学科 卒
2016年より「なお整骨院」勤務
就職活動中に「オステオパシー」を知り、紹介を経て なお整骨院 に就職。
以降、小野院長指導の下オステオパシーの知識・技術の研鑽の日々を送る。
趣味は釣り、野球、ゴルフ。

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