毎日の甘い物...腸だけでなく子宮も不調に-原因不明の不妊症case3

ケース３：偏った食生活が原因　ー腸の不調

毎日甘いものを摂取（Cさん　20代後半）

Cさんは結婚２年目。１年以上ご自身で妊活をされていましたが、年齢的には妊娠する可能性は高いのになかなか授からず、不妊外来を受診されたそうです。しかし、クリニックの結果は「機能的に問題なし」。原因がわからない不安から当院を受診されました。

Cさんは普段から規則正しい生活をされていて、飲酒や喫煙もされません。
結婚してからご主人のために、慣れない料理を頑張っているとのこと。なるべくお惣菜やコンビニのお弁当は買わないようにしているそうです。
飼っている犬の散歩もかねて、毎日３０分から１時間ウォーキングをされるのが習慣だそう。
お酒を飲めないCさんの仕事終わりのお楽しみは、帰宅途中にあるコンビニで、チョコレートやお菓子を買うこと。

一見何の問題もなさそうな生活習慣ですよね？

しかし、実際検査をしてみるとCさんは「腸（ちょう）」に問題があることがわかりました。
そうです、Cさんの問題は習慣的に食べているという「お菓子」！！
「お酒も飲まないし、お菓子くらいいいんじゃない？」と思われるでしょうが、そんなことはありません。
お菓子やチョコレート、いわゆる「甘いもの」に入っている、そう、「砂糖」がCさんの腸の不調を引き起こしている原因となっているのです。

腸の中には、体を守ってくれる「善玉菌」と、身体に害を与える「悪玉菌」の２つが存在して、日々戦いを繰り広げています。
実はこの悪玉菌と呼ばれる菌やカビの好物が「砂糖」なんです。悪玉菌はこの砂糖をエサにしてその数をどんどん増やしていきます。腸内で悪玉菌優位になると腸内の異常発酵がくり返されるようになり、さらに悪玉菌が増えていきます。
悪玉菌が増えすぎると、腸の働きを阻害するようになり、便秘や下痢を起こしやすくなってしまいます。

腸には本来、有害物質を体内に入れないためのバリア機能が備わっていますが、悪玉菌によってこのバリアが壊され、アレルギー物質や有害物質が体内に侵入し、血流によって全身に運ばれてしまうのです。

なぜ腸の不調が妊娠力に影響を及ぼすのか

妊娠力を上げるために大切な臓器は・・・何度もお伝えしているとおり「子宮」です。
子宮も腸も全く別の臓器で、妊娠には関係なさそうに見えますよね？
いいえ、そんなことはないんです。
なぜなら、私たちの体は頭の先から足の先まで１枚の大きな「膜」で覆われていて、それはすべて繋がっているから。
そしてこの膜は体の中の器官、臓器や骨や筋肉を繋げる役割をも担っています。
つまり、問題があった「腸」と大切な「子宮」はこの膜でつながっているということになります。

腸には「腸間膜（ちょうかんまく）」という膜があり、これが子宮とのつなぎ役をはたしています。
腸の不調がある人は、腸が硬くなるのですが、この硬さが腸間膜を通じて子宮まで届き、子宮までも硬くならせてしまうのです。
子宮が硬くなるとダグラス窩（だぐらすか）という、子宮と直腸の間にゴミが溜まりやすくなり、このことが子宮の働きを邪魔する要素となってしまうのです。

オステオパシーでの治療方法

Cさんに検査の結果をお伝えすると、確かに最近は便秘がひどく、腹痛をおこすことも度々あったということでした。
お菓子自体もたくさん食べているわけではないし、ちょこちょこ食べることが習慣になっていて、全く罪悪感はなかったので、結果に大変驚かれていました。

この結果を踏まえ当院では、硬くなった腸を柔らかくする施術を行いました。
腸を柔らかくするには、腸の大元である腸間膜から施術します。
腸間膜はダグラス窩から子宮に繋がっているため、腸間膜を使って子宮まで施術していきます。
この腸を柔らかくすることで、腸内環境も整い、おのずと子宮の硬さも取れていきます。

また、加えてCさんにはお菓子を控えていただくようお伝えしました。
ただ、砂糖には脳内の快楽物質が放出され幸福感を得やすくなっていて、この快楽物質に麻薬のような中毒性があり、より体が砂糖を欲してしまう「砂糖中毒」になってしまうこともあります。
さらに、すでに砂糖中毒に陥ってしまっている場合、急に砂糖を摂らなくなるとその反動でドカ食いしてしまい、かえって砂糖の摂取量が増えることもあります。
いきなりゼロにするのではなく、徐々に減らしていくこと、その方が体にも精神的にも負担が少なく減らしていけることをお伝えしました。

その後Cさんは当院にて施術を行いつつ、甘いものを控えていく生活を3か月程続けたころに自然妊娠されました。
妊娠中も甘いものの食べ過ぎはもちろん、食生活全般に注意を払い、安産に向けた施術を当院で続け、無事お子さまを出産。産後もお体のメンテナンスのため、赤ちゃんと定期的に通院されています。

不妊症には様々な原因が考えられ、またその原因は一人ひとり違います。
当院で行っているオステオパシーでは、一人ひとりの不妊の原因を突き止め施術をしていきます。
また、施術だけではなく、食事や環境の指導やお話しをさせていただくこともあります。
それは食べ物や環境が現在のあなたの体を作っているからです。
原因不明と言われて、何をしていいか迷われ、お悩みの方、ぜひ一度オステオパシーを体験されてみてください。思いもよらない原因が見つかるはずです。