こんにちは、なお整骨院 田端です。
私のブログでは、小野院長のブログとはちょっと違った、日々の治療や勉強を通して学んだことや感じたこと、考えたことなど少々マニアックな内容を記事にしていきます。
今回は、最も身近な調味料である「塩」について。
みなさんはどんな基準で「塩」を選んでいますか?「減塩」をしていますか?
間違った塩選び、あるいは間違った減塩があなたの不調を招いている原因の一つになっているかもしれませんよ。
「減塩」が体調不良を招く??
皆さんの食卓に並ぶ「塩」。枝豆、フライドポテト、おにぎり...どれも塩を振って食べるとよりおいしくなりますよね。
さらに塩単体でだけでなく、味噌や醤油など他の調味料にも含まれます。もはや、塩は料理や食事に必須といえる調味料です。
しかし、こんな万能でおいしい調味料の塩も、高血圧の患者数の増加に伴って次第に悪者扱いされるように。お店には「減塩」と表示された食品や調味料が多く並んでいます。
ところが、あろうことにこの「減塩」が体の不調を招いていることがあるのをご存知ですか?
筋肉の痙攣、骨粗鬆症、冷え性、皮膚の乾燥などなど...さらに減塩により予防できるとされる高血圧も。
そして、そこには塩の “質” に問題が隠されていました。
「精製塩」という化学処理によって作られた塩の摂取が体にとって問題であり、昔ながらの製法で作られた「天然塩」はむしろ積極的に摂取するべきものなのです。
精製塩と天然塩は含まれる成分・ミネラル分が違う
先述したように、塩には大きく分けて二種類あります。
精製塩
精製塩とは、
ふつう、食卓塩または食塩として売られている塩。電気分解によって塩化ナトリウムの含有量が99.5パーセント以上にしてある。
引用元:「精製塩」コトバンク デジタル大辞泉 より
スーパーなどで売っている塩の多くはこの精製塩です。
具体的には、イオン交換膜製塩法という製法で作られた塩で、海水をイオン交換膜と電気分解の力でナトリウムイオンを抽出して濃度の濃い塩水を作り、それを立釜で水分を蒸発させることで塩の結晶を取り出したものが精製塩となります。
公益財団法人塩事業センターが作る塩の商品名となっているようですが、この記事内では塩化ナトリウム99%以上の塩を指すこととします。
精製塩は海水から不純物を可能な限り取り除くことを目標とした結果生まれたため、塩化ナトリウム99%以上という組成になっています。工業用の塩を安く大量に生産するために考えられた製法による塩です。
天然塩
「天然塩」といっても明確な定義があるわけではありませんが、多くは汲み上げた海水を天日で乾燥するといった昔ながらの製法によって作られた塩のことを指します。
岩塩、湖塩も天然塩といえますが、今回は精製塩と同じ海水由来の海塩に限定して話を進めていきます。
こちらは、何かを添加したり、加工したり、あるいは取り除いたり(もちろんゴミや汚れは除去します)といった工程を介さないので、海水とほぼ同じ組成のミネラル分を含みます。ミネラルとは、ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム・亜鉛・鉄などの無機質成分のこと。体が正常に機能するためには不可欠な成分です。
そして、このミネラル分の有無が精製塩と天然塩の大きな差であり、食用に適するか否かを分けるポイントなのです。
なぜ天然塩をすすめるのか?
人の身体は様々なミネラルが相互に関係しあって生命活動を支えています。しかし、ミネラルは体内で生成することはできません。ですから、必要なミネラルをバランスよく摂る必要があります。そのミネラルの摂取に適しているのが天然塩なのです。
なんと、海のミネラルバランスと人の血清のミネラルバランスはかなり似ています。海水から水分を飛ばして出来上がったのが天然塩ですから、それを摂れば体液に近いバランスのミネラルが摂取できるというわけです。
天然塩の必要性ーミネラルバランスが体を整える
天然塩に含まれるナトリウム以外のミネラルも体内で重要な働きをします。具体的なその働きを症状別にみてみましょう。
高血圧
血圧とは、心臓が全身に血液を送るために必要な圧力のこと。そして、この圧力が一定の値を超えている状態を高血圧といいます。一般的に、最高/最低が140/90mmHgを基準としているようです。
血圧は「血管中の血液量」「血管の太さ」「心臓の力」の3つの要素によって変化します。ナトリウムは水を引き寄せる性質を持っており、ナトリウムが体内に増えると体の水分量が増加します。この時の体の水分量増加≒血液量の増加となるため、血圧が上昇します。
そしてこの増えすぎたナトリウムを排泄するのに必要なのが、天然塩に含まれるミネラルの一つであるカリウムです。カリウムによってナトリウムは尿として排泄されるため、上昇した血圧は低下し、あるべき状態に戻ります。
むくみ
ナトリウムの水を引き寄せる性質により血管内の水分が増えることで、その余剰分が血管壁から血管外へ染み出たものが皮膚の下にたまった状態がナトリウム過剰摂取によるむくみです。これも天然塩なら、ナトリウムと同時にカリウムを摂取できるので、過剰な水分やナトリウムはスムーズに尿として排泄できます。そのため、血管内の水分が極端に増えることもなければ、それが染み出してしまう事もなくなり、むくみも起きにくくなります。
足がつる
就寝中や起きがけに足がつるという方いらっしゃるんじゃないでしょうか。
足に限らず、「つる」というのは筋肉が痙攣している状態です。では、なぜつるのかというと、冷え、疲労、水分不足、ミネラルバランスの乱れ…といわれています。ここでも出てくるのが「ミネラル」というワード。その中でも「つる」のに特に関係しているのがマグネシウム、カリウム、カルシウムの3つのミネラル。もちろん天然塩にはこの3つも含まれています。
減塩のデメリット
「ナトリウムの摂取を減らすために、とにかく『減塩』すればいい」という考えは危険です。確かにナトリウムの過剰摂取はよくありませんが、逆にナトリウム不足も体に悪影響を与えます。
ナトリウム不足が逆に高血圧を招く
体内のナトリウムが不足すると、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系という反応が起こり血圧が上昇します。先ほどはナトリウムが血圧を上昇させると書きましたが、カリウムによりナトリウムの排泄がきちんと進めば血圧は正常に戻ります。
ですが、ナトリウムが不足している場合、ナトリウムが体外から入ってこない限り、このレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の反応が続くことになります。すなわち過度な減塩でナトリウム不足の状態が続く限り、血圧上昇の機序も働き続けることになります。
じつは、高血圧は食塩の影響を受けやすいタイプの人とそこまで影響を受けないタイプの人とに分かれ、日本人は半数以上が食塩の影響を受けないタイプの高血圧だとする調査結果もあるため、減塩によって高血圧の改善が期待できるのは50%未満なのです。
ナトリウムは胃腸の消化・吸収を助ける
塩の主成分である塩化ナトリウムは胃酸に含まれる成分です。胃酸は文字通り胃の消化液の一つで、たんぱく質の消化に関わります。胃酸が少なければ、たんぱく質が十分に消化されずに腸へ送られるので、腸は必要以上に働かなければいけなくなります。
また、ナトリウムは小腸でのアミノ酸、単糖、ビタミン、リン酸などの栄養素の吸収に不可欠です。せっかくうまく消化できた栄養素も、吸収されなければ何の意味もありません。
体に良い塩の選び方
では、天然塩と精製塩を見分けるにはどうしたらいいでしょう。残念ながら、お皿に盛られた塩を見て、それがどっちの塩であるか見分けることはできません。天然塩は精製塩に比べてまろやか、コクがある、風味豊かなどと言われるので舌の敏感な方なら少量味見してみれば見分けられるかもしれません(私には分かりませんでした・・・)。
ですが、その塩のパッケージさえあれば、誰でも簡単に見分けることができます。
裏の製造方法の欄の『工程』というところをご覧ください。ここに『天日・平釜』と記載してあるものが天然塩です。また、平釜を使わずに最初から最後まで天日のみで作り上げたものもあります。こちらの方がより海水のミネラルバランスそのままなのですが、広大な土地と乾燥した空気が必要な製造方法であるため、日本で行うには不向きで、ほとんどが国外産となります。国外の海水を使っているということに抵抗がなければこちらを選んだほうが良いです。
塩を変えれば体が変わる
塩を変えましょう。
ミネラルは相互に関係しあうため、それぞれをバランスよく摂取する必要があるのです。それに最適なのが天日で作られた天然塩です。
慢性的に特定のミネラルを単独摂取することが体に害を与えます。精製塩を摂るということは、無意識のうちに塩化ナトリウムのサプリメントを飲んでいるようなものです。
ただし、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」。体にいいから、必要だからといって摂りすぎるのはよくありません。過剰分のミネラルは汗や呼吸、尿、糞便として排泄されますが、毎日極端に摂取すると排泄機構に負担をかけ続けることになってしまいます。特に腎臓に持病をお持ちの方は気を付けましょう。
また、塩を変えさえすれば全ての調子が整うというわけでもありません。各器官や臓器の状態が正常でなければ摂取したミネラルはうまく活用されずに排泄されてしまいます。当院のオステオパシーの施術で体の構造の歪みを整えながら、塩の質や摂取の仕方を変えていただく方が、体が最も自然治癒力を発揮できる状態にする近道です。
外から体に入れるものについては十分に気を付けるべきです。塩だけでなく、水や食事についてもお気軽にご相談ください。
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