こんにちは、なお整骨院 院長の小野です。
当院には女性特有の病気にお悩みの患者さまも多くいらっしゃいます。
特に多いのは、女性3大良性疾患と言われる「子宮内膜症」「子宮筋腫」「子宮腺筋症」。
これらの病気を病院で治療する場合、その方法は複数あります。しかし、できてしまった腫瘍や内膜を完全になくすには手術療法しかありません。
手術以外の方法を選択した場合、治療を行いながら、これらの病気とどう上手く付き合っていくか大切になります。妊娠を希望されるなら尚更です。
その点において、当院のオステオパシーは病気の進行をできるだけ抑え、痛みを緩和するのに適した施術と言えます。
今回のブログでは、子宮腺筋症により日常生活が困難になるほど激しい痛みが起きた患者さんのケースをご紹介します。
子宮腺筋症とは?
先にも書きましたが、「子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)」は女性3大良性疾患の1つとされています。
子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)や子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)は知っているけど、「子宮腺筋症」は聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか。
子宮腺筋症は、子宮内膜に類似する組織が子宮筋層内で増殖し、子宮全体または筋層の一部が厚くなり、子宮が膨大する病気です。子宮内膜症や子宮筋腫と併発することもあります。
ちょうど妊娠や出産を迎える30代~40代の女性に多く発症する良性腫瘍です。子宮筋腫が最も多い婦人科の腫瘍で、成人女性の5人に一人の割合で発症するのに対し、子宮腺筋症は子宮内膜症とともに10人に一人の割合で発症します。
〇症状は?
月経痛、過多月経、月経期間の延長などがありますが、次第に症状が激しくなっていくのが特徴です。その痛みは子宮内膜症よりも強いと言われています。
慢性的な腹部の痛みや性交障害、不妊症の原因にもなります。
〇治療法は?
症状の程度や、年齢、今後子どもを希望するかによって治療法は選択されますが、経過観察・薬物療法・手術療法などがあります。
当院の症例(Aさん 30代女性)
子宮腺筋症による激しい腹部の痛み
30代のAさんは、強い腹部の痛みを訴えられ来院されました。
お話しを伺うと、婦人科のクリニックで「子宮腺筋症」と診断されたそうです。できれば妊娠したいので、手術ではなく薬物療法を選択されたとのこと。
しかし、腹部の痛みが日に日にひどくなってきて、最近は痛みで気を失いそうになるとのことで、この痛みを少しでも緩和するために、薬以外にできることはないかと当院を受診されました。
初めて来院されたときには、痛みで仕事にも行けず、病院へ通うために仕事も辞められていました。さらに不正出血もあり、止血剤も飲まれていました。
子宮腺筋症になる明らかな原因はまだ解明されていませんが、経産婦や流産、人工妊娠中絶など、何らかの子宮内操作を行った方に発症することが多いといわれています。分娩や子宮内操作を行った際、子宮筋層内に子宮内膜様組織が侵入するからです。
Aさんも以前流産を経験されていて、そのことが原因で子宮腺筋症を発症した可能性があります。
痛みの原因と妊娠力
当院にて検査をしてみると、Aさんの右腹部に強い癒着があることがわかりました。
Aさんに過去に手術をしたことがないかお聞きしてみると、15年前に子宮外妊娠をして右の卵管摘出手術を、そして10年前にも盲腸の切除手術を受けられたそうです。
この2つの共通点は、ともに手術の際に右腹部を開腹したこと。
この2つの手術の影響で右腹部に強い癒着が起きてしまっていたのです。
「癒着」とは手術によって切った組織を縫合する際に、本来くっついてはいけない離れて分かれている臓器や組織が、くっついてしまうことをいいます。切った部分が治ろうとするときに近接した組織を巻き込みながら再生していくために起きてしまうのです。
実は、開腹手術をすると程度の差はありますが、その約90%で癒着が起きるといわれています。
この癒着の場所や程度が悪いと、臓器を覆っている膜どうしがくっついてしまい、周囲の臓器の動きを制限してしまうことがあります。さらに癒着がひどいと、それら臓器の体内での位置を変える程の影響を与えます。
臓器や器官には本来それぞれ決まった場所があり、その場所にあることで100%の仕事ができるのに、癒着によって違う場所に引っ張られてしまうと、力が発揮できなくなり、十分に機能できなくなってしまいます。
Aさんの場合、15年前の手術の影響で右の卵管まわりの癒着がひどい状態でした。
癒着は年月が経つほど取れにくく、強固になります。この卵管まわりの癒着の影響で、卵管につながる子宮が引っ張られ、右に傾いていました。
子宮が傾くということは、子宮の形が変わってしまうということ。
形が変わると、子宮は生理の際により強い力で収縮しなければならず、このことが腹部の強い痛みにつながってしまうのです。
また、10年前の盲腸の手術。盲腸の手術は切開部も小さいので、なんとなく簡単な手術のようなイメージを持たれている方が多いのですが、もちろん盲腸の手術でも多かれ少なかれ癒着は起きています。
「盲腸」という呼び名で広く認知されていますが、実際に切除するのは盲腸の先にある「虫垂(ちゅうすい)」という飛び出た部分。虫垂は右腹部にあり、大腸につながっていてます。この虫垂を切除すると、切除した付近で癒着が起き、つながっている腸の動きが悪くなってしまうのです。
そして癒着によって動きが固定された腸の影響で、それにつながる骨盤も傾いてしまいます。
子宮は骨盤のなかにぶら下がるようにつながっています。
つまり、骨盤が傾くと、骨盤にくっついている子宮も同じように傾いたままになってしまうのです。
Aさんの子宮は、卵管手術の影響で形が変わり、盲腸の手術の影響で傾いた状態になっていました。このことが原因で気を失うほどの腹部の強い痛みを出していたのです。
またAさんは妊娠を希望されていました。しかし、これ程に術後の癒着が子宮の形と位置に悪影響を及ぼしていると、明らかに子宮の機能は低下し、その妊娠力は非常に弱い状態になっていると考えられます。
オステオパシーでの治療は?
Aさんの場合、まず卵管部の癒着をはがしていく施術を行いました。
オステオパシーでは、手術の傷から癒着している部位をたどり、層と層がくっついてしまった部分を引きはがし、柔軟に滑るようにしていきます。
よく「癒着をはがすなんて、痛くないんですか?」と聞かれますが、傷を押したり揉んだり、強い圧をかけたりと痛みが出るような施術は行いませんので、安心してください。
オステオパシーは生後1週間の赤ちゃんからご高齢の方、妊婦さんも安心して受けられる痛みのない優しい施術が特徴です。
癒着の影響が取り去られれば、それによって動きが制限されていた骨や関節、内臓なども本来の動きを取り戻すことができ、体の不調は解消されていきます。
Aさんが苦しまれていた腹部の痛みも、施術4回目には日常生活が普通に過ごせるほどに解消されました。
また、盲腸の手術による癒着も取り除くことで、癒着由来の骨盤・体の歪みも正常化され、
子宮も正しい位置に戻りました。正常な位置で正常な形の子宮ではじめて100%の力で働くことが出来、本来持っている妊娠力を挙げることが出来ます。
その後Aさんは、婦人科の通院を続けながらも、子宮腺筋症の悪化を防ぐために定期的にオステオパシー治療を続けられた結果、5か月後に無事自然妊娠されました。
妊娠後も子宮の状態を良好に維持するため出産までオステオパシー治療を続けられました。
オステオパシーで子宮の病気と向き合うお手伝いを
このAさんの子宮腺筋症だけではなく、「子宮内膜症」や「子宮腺筋症」などの婦人病と診断されたけど、「できるだけ手術を避けたい」「将来子どもが欲しい」等の理由で「手術をしない」という選択をされた方が、当院にはたくさん来院されます。
その多くの方が日々強くなる月経痛に、病気や将来への不安を抱えられています。
当院で行っているオステオパシー治療は、一人ひとりの痛みの原因を突き止め施術をしていきます。
痛みの緩和はもちろんですが、子宮本来の機能を上げることで、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人病の進行・再発を防ぐ身体をつくっていきます。
今回のAさんのように婦人科の病気の痛みでお悩みの方、あきらめず一度ご相談ください。
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